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無い袖は振れない

下仁田ねぎ 雨

毎年、夏の終わりごろに、山梨にいる古い友人から、トある農園の皮ごと食べられる硬い桃が送られてくる。
この桃を食べると、ゆるくてぐちゅぐちゅの桃が食えなくなる逸品で、毎年楽しみにしている。


が、ことしは桃ではなく、甲斐路などのブドウ3品種が届いた。
以前にもそういう年があった。
桃が出荷できるほどの状態にない、実ってない、大きくなってない年は、代わりに山梨のブドウを送ってくれる。


果樹は、柿や蜜柑などのように当たり年 (表年) と外れ年 (裏年) があり、硬い桃も数年に一回程度、不良の年があるようで、それはそれで代わりのブドウを楽しんでいる。


さて、本場・下仁田ねぎも、3ヶ月かそこいらで出来てしまう野菜とちがって、一年以上の露地栽培なので、自分の力ではどうにもならない天候の影響を大いに受ける。


近年というか年々、猛暑・残暑が酷くなり、冬野菜であり高温多湿に弱い下仁田ねぎの出来が悪くなっている。
毎年毎年、対策を練って試行錯誤しながらいろいろ試してはいるけど、自然に対して自分の思い通りにならないことがほとんど。
大雨が降れば大水が出て、畑が流されたり、鹿などのケモノに踏み潰されたり・・・。
農家になって、そういったどうにもならないことに対し耐性ができた。


だから、今回の掘ってみて軽く絶望するくらいの発育不良だったけど、そこまで落ち込んでいない。
もっとも、シーズン直前なので、ウジウジ思い悩むヒマなどなく、新ホームページ・注文受付で、大箱・太目サイズの受付や新規客の注文は停止するなど早め早めに手を打った。
(掘り進めていくうちに、状況が変わったら、受付を再開する可能性もなくはないですが・・)


が、「大箱、注文できないんですか?」 「なんとかならないですか?」 「毎年のことだから、困るんですけど」 「先方も毎年楽しみにしてるんです、どうしたらいいでしょう?」 「太いのをたくさん欲しいんですけど」 など、粘るお客様への対応で、(なんとかしたいのはやまやまですが)、ここ数日は、 ”断り疲れ” でフラフラでした。


今冬は大幅な値上げに加え、直前の販売縮小で、長年利用・購入頂いているお客様には混乱させてしまい申し訳なく思いますが、無い袖は振れないので、何卒ご理解いただくしかないのです。

下仁田ねぎ畑

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Posted in 百姓二揆(ヒャクショー・ニッキ)

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