もう大丈夫だのぅ、と顔見知りで年配の養蜂農家の人が、わたしの下仁田ねぎ畑 (山の上) を見て言った。(9月末のこと)
もう大丈夫だのぅ、というのは、ここまでくれば (ここまで秋めいてくれば)、下仁田ねぎも大丈夫だね、という意味で、下仁田ねぎは冷涼性野菜だから、夏の高温と過湿 (雷雨) に非常に弱い。
地温が25℃だか30℃以上になると、成長を止めて休眠してしまうことがあるため、眠らさないよう掘り起こして (根に喝を入れるべく) 植えなおす、いわゆる夏の植え替え (2回目の植え替え/伝統栽培) をしているが、高温と降雨がつづくと、切れた根などから病気 (軟腐病) が発生し、土壌感染が拡がる傾向が近年とても多い。
病気や害虫が大発生する夏をいかに乗り切るか、夏の植え替え後いかにダメージをすくなく乗りきるかが、伝統栽培の重要なポイントになっている。
「いい葱になったのぉ~、もう大丈夫だのぅ」 とにっこり笑顔で言われたけど、
「だと、いいんですけどねぇ・・・」 と半分苦笑いで歯切れわるく答えた。
これから台風やら秋雨前線の活発化などで雨量が大幅に増えるような天候が続けば、根腐れもまだまだ止まらない。
天気が安定するまで、まだまだ安心はできないのだ。