オースターが亡くなった。(ポール・オースター/米・小説家)
半年くらい前、街に出かけた際、比較的に大きな本屋で、ひさしぶりにオースターの未読本 (写字室の旅/闇の中の男) を見つけ、この間読み終えたばかりだった。
オースターを知ったのは、2000年ころ、インターネットで翻訳本の出だしのみを書きだしたサイトで、『ムーン・パレス』 という小説の出だしにひどく惹かれ、読み始めた。
ムーン・パレス 冒頭部分
~ それは人類がはじめて月を歩いた夏だった。そのころ僕はまだひどく若かったが、未来というものが自分にあるとは思えなかった。僕は危険な生き方をしてみたかった。とことん行けるところまで自分を追いつめていって、行きついた先で何が起きるか見てみたかった。~
冒頭部分が好きすぎて、小説自体はそこまでではなかった (展開後が長く、読み終えた達成感のみ強く残った)。
その後も、彼の別の小説 『孤独の発明』 というタイトルに惹かれ、ちょっとずつ読んでいって、お気に入りの作家の一人になった。
画像は、手元にあるオースター本。
一番好きなのは、『シティ・オヴ・グラス』 。
これも出だしから引き込まれる。
シティ・オヴ・グラスの冒頭部
~ それは間違い電話で始まった。真夜中に三回かかってきたが、相手が話したかったのは彼ではなかった ~
前半ちょっとダレるが、後半の自分の脳内をぐるぐる彷徨うような感覚が、とっても好きだった。
(その他、『偶然の音楽』 の喪失感、タイトル、カバー表紙も好き)
で、今回の死去のニュースで、ひさしぶりに 『シティ・オヴ・グラス』 を読んでみようと茶ばんだページをめくっているけど、(下仁田)ネギ植えの疲れがひどく、読んでも読んでも頭に入ってこない・・・。