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スラリー液と古い友たちとの夜

 

古い音楽仲間 (バンド繋がり) の新年会が、4年ぶり (20年のコロナ緊急事態宣言、直前 ~豪華客船の頃~ の会には参加しなかったので、個人的には5年ぶり) に開催ということで、下北沢へ。

今回は、先日、購入した本 (小説) が読みたかったから、高速バスで上京。
かつて東京時代、電車の中で本を読むのが好きだった。集中が途切れると、車窓に流れる風景にしばしを目をやり、また本を開く。
バスが左レーンの小型のタンクローリーを抜き去る際、タンクの後ろ面に 『スラリー液』 と書いてあるのが見えた。
おそらく初めて出くわした、見覚えも聞き覚えもない言葉が新鮮でおもしろく、思わずメモした。
(ネット検索して、すぐにわかってしまうのはまったくつまらないので、このブログを書くにあたって、名称があっているかの確認でやっと調べた)

新年会の前に、恵比寿にある友達の美容室で散髪。
友達は忙しく鋏を動かしながら、「この間、日比谷で久しぶりに映画を観ましたよ」 というから、自分も今年に入ってめずらしく映画2本 (パーフェクト・デイズとゴジラ・マイナスワン白黒) を観ていたから、話の途中だったが 「何の映画?」 と割って入った。
「北朝鮮の脱北者のドキュメンタリーです」
え? なんじゃそりゃ・・、日比谷でそれかい! と心の中でズッコケたが、よくよく考えてみれば、自分も東京のころは今と違い、マイナーの映像作家ものなど好んで観ていたことを思い出した。

散髪後、渋谷のディスクユニオンでCDを2枚買って、予約してたホテルへ。
東京での新年会、群馬から日帰りというわけにはいかない。
渋谷だと、ここ数年は東急ステイが定宿だったけど、今回の新年会の開催日が3連休の中日ということで、手ごろな値の宿の空きがなく、1万台をあきらめ2万台で空いていたホテルに。
(カプセルや安宿は、若い外人がうるさかったり、年齢とともにキツくなってきた)

フロントにて。
目が合った小柄の4~50代くらい (マスクしているとわからん) のフロントの女性に、「予約した〇〇ですが」 と告げる。
「はい、お待ちください」、女性はパソコン画面を見ながらマスク越しに消え入りそうな声で、
「えー・・・ご予約、無いようですが・・・」
ええッ? うそ・・・日にち間違えたのかオレ・・・うわぁ・・どうしよ・・・、一瞬、頭の中がまっ白になった。
2秒ほど間をおいて、女性は画面を見ながらもう一度、今度はいくぶん大きめな声で、
「えー、ご予約の内容ですが、」 とわたしの宿泊内容を述べ、「間違いないですね?」 と確認をしたのだった・・・。
農業という職業柄、日にちより天候に神経を使うため、曜日はもちろん日にちをコロッと忘れることが多くなったし、持病の左の耳鳴りもひどくなって聞こえづらくなっているというのもあって、ホンの数秒だけど、すごくあせった。
チェックインしてすこし読書、その後、下北沢へ。

5年ぶりに旧友に会う (今回は10人。現役プロミュージシャン、現役バンドマン、いまだパンク/ロックを聴き続けライブハウスに出入りしている人たちが主)

昔は 「変わってるねぇ」 と散々言われたが、ひさしぶり会った友たちから口々に、「変わってないよねー」 と言われた。
通称ロック新年会と呼ばれるこの会で、どうひいき目にみても、一番変わったのはこのオレだと自負しているので、「 (田舎に引っ込んだこと、恰好、職業を含め) 一番変わったよねー」 と言われるもんだと思っていたから、「変わってねえ」 を連発されあちこちから苦笑いされるとは思いもよらなかった。
まあ、大人なので、見た目じゃなく性格の変わってない一部分を言っているのだな、ということは理解できるが・・・。

 

めずらしく早めにお開きにして、来れなかったちかくのライブハウス運営者Uのところ (ろくでもない夜) へ皆で顔出しに行って今回は終了。

 

下記リンク先参照

 

下北 ⇒ 渋谷
会の開かれた下北沢も駅回りが大きく変わった。
ホテルのある渋谷も来るたびに変わっている。
渋谷駅からホテルのある神山町まで歩く間でも、夜の渋谷は外人ばかりになって変わり果てていた。
(YOUTUBEの外国人インタビューの動画では、訪日客が口々に東京キレイ (CLEANの方) と言っているが、自分が暮らしていたころの渋谷と比べると、吐きそうなくらい汚なくなっていて、ひどく変わった)
繁華街を抜けて、泊まるホテルの地下にある 「しゃぶ禅」 というしゃぶしゃぶ店の文字が見えたとき、当時と変わらぬ景色を目にしてなにかホッとした。
変わり果てた姿より、まだ変わらず残っている部分に喜びを感じる年代になったということか・・・。

 

解体中の東急本店。あったものがない淋しさ。

 

麗郷の先にホテル・インディゴ。変な感じ。

 

Posted in キオクのキロク

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