先週の雨の最終日、中之条ビエンナーレ2023に滑り込みで行ってきた。
2年に1回・開催の中之条ビエンナーレは、12年前の2011年、3回目の時に初めて訪れ、過疎化のすすむ田舎の、通り過ぎてしまうような日常の風景が、現代芸術作品のアクセントによって非日常となるのが新鮮に映り、また、知らない土地をマップ見ながらアチコチ移動するという大人の宝探し要素もあって、思いのほか楽しかった。
以降、中之条ビエンナーレに飽きたらず、近隣の芸術祭 (大町・北アルプス国際芸術祭、奥能登国際芸術祭、越後妻有・大地の芸術祭、新潟市・水と土の芸術祭など) にも足を運び、農休みにちょうど良い気分転換になっていたが、芸術祭だらけになって、どこかでみたようなありがちな作品・文化祭レベルの安易な作品が多くなり、だんだん初めのころのように楽しめなくなった。(個人的に、ハッとするような作品、強い個性やエネルギーを感じる作品が好みです)
で、ひさしぶり (4or6年ぶり) の中之条ビエンナーレも、見入ってしまうような作品は少なく、印象に残ったのは作品より、人だった。
祭日ではあったけど、雨だっていうのに (農家のわたしは ”雨” だったから、畑仕事ができず、来たわけだが・・)、びっくりするくらい人がわんさかいた。
とくに、伊参エリアから四万エリアに抜ける山道で、あきらかに地元の人間ではない若い男性が傘さしてポツンと歩いていたのには、驚いた (シカだったら驚かないような峠道だった)。
かなり移動距離 (10km弱) があるので、車に乗せてやろうか、フト頭によぎったが、後ろからでかい黒のRUV車が来てたので、そのまま下った。
引き返そうか迷ったけれど、前方に、こちらも地元民には見えない女性二人が傘さして歩いているのが見え (以降、何人もいた)、いちいち載せてたらバスの運ちゃんにならざるを得ない、とやめた。
思っている以上に、東京あたりから電車でやってきて、徒歩移動の人がいること、集客が広範囲になっていることに驚きを覚えた。
また、以前に比べ、町なか (つむじ周辺の商店・銀行など) や街道 (景観をさえぎっていた杉などの伐採) など地域全体が、確実にきれいになっていて、あっちこっちの景観に「美」が感じられた。
前にこのブログで書いたが、地域アート祭の良いところである、イベントを通して地域社会の感度があがる様をあらためて実感した。(自分の暮らすところと比べ、うらやましく思う)
都会からイベントにやってくる ⇒ 田舎の美しい景観の中、歩き回る ⇒ 歩き回ることで、素通りではない、地域になじみ的なものが湧く ⇒ 移住、といった好循環も生まれそう。
デザイン、フォント(字体)、など、上品で洗練されている新ロゴ。
地元のテレビなどでも取り上げていたこともあってか、アート好きよりもスタンプラリー好きのファミリー層も多かった。
つむじ(交流センター)内にあった、素敵なデザインのインフォメーション。施設内に流れていたBGMも、田舎くささのない、大人の上質な音が流れていた。
中之条といえば、吾妻路のだし巻き。