本2冊。
上の本、『渋沢栄一と陽明学』 は、渋沢の例の大河ドラマ前に購入。
渋沢好きというわけではなく (むしろきらい。ホンダの創業者コンビ、本田宗一郎か藤沢武夫のどちらかが、著書のなかで渋沢を批判していて、以来、自分も自動的に)、著者の林田明大氏の陽明学本を3~4冊読んでいたため、とりあえず目につき手にした。
本のなかで、映画 『殿、利息でござる!』 がたびたび取り上げられていたので、観ようと思いつつ、そのタイトルで食指が動かず。(まったく観る気の起こらない映画タイトルというのもある意味すごい)
本を読み終わって、半年くらい経って、観なければならないという使命感で挑戦したが、オープニングがつまらなすぎて、断念。
冒頭シーンは大事だと思うが、まったく引き込まれず惹かれず、その後2度ほど (まじで) 挑戦したが、いずれも始まって2分台で挫折――。(葱でくたびれていて、集中力が低下していたというのも、もちろんある)
一年か一年半くらい経って、執念で鑑賞した。
面白くないオープニングに慣れたせいか、喉元過ぎたら意外とグイグイ引き込まれ、観終わったたらとても良い映画だった。
(劇中、商人・浅野屋甚内の、『冥加訓/みょうがくん』 という陽明学の流れくむ家訓の話が出てくる)
で、実話を小説化したものを映画化したということで、元の小説 『無私の日本人』 も読むべきだろうとすこし前に購入し、さいきん読み終えた。(映画化されたのは、『無私の日本人』、三篇のなかのひとつ 『穀田屋十三郎』 )
文体にクセがないので、読みやすく、朝トイレでチビリチビリ読むだけなのに、思いのほか早く読み終えた。
たとえば、越後長岡藩の 「米百俵」 の話は、小泉元総理で一気に広まったが、この穀田屋十三郎ら吉岡宿の話ももっともっと広まらないともったいない。
そういう意味で映画は (2016年5月に公開されたよう)、広まるいい機会だったが、そのセンスが良いとは思えない映画タイトルのせいか、自分のところまでは届いてこなかった。(前出の陽明学本で知った。『無私の日本人』 の著者、磯田道史氏の小説には、映画化もされている 『武士の家計簿』 もあるがこちらは知っていた。未見だが)
ものすごく良い話なのに、いろいろともったいない。
なので、ブログに書いてみた。