11月のある日、国道沿いを下仁田ねぎを背負って (しょって)、トレラン的に走っているのを見た。
カモかと思ったら、若い女性二人で、思わず、おーっカッコいい!と心の中で拍手した。
(背負っているのが葉っぱのちょん切れた長ネギだったら、なんとなく鴨ネギ的で、おまえはカモか、と突っこみたくなるが、下仁田ねぎは殿様ねぎとも言われている通り、殿様を背負うのだ)
自分で言うのもナンだが、下仁田ねぎはかっこよくて素敵だ (本場のバランスの美しいのに限る)。
参考までに、ポワロ (フランスのポロねぎ) を小脇にかかえたトレビア~ンなパリジェンヌ。農ギャルよりも葱レディーがいい。
ちなみに、リーキ/リークだと洋ドラマ 『ゲーム・オブ・スローンズ』 の劇中セリフ、「臭いな。お前はリークだ」 のようにちょっと違う。
ということで、まだ食べごろ前の青葉がそろっている11月の下仁田ねぎをバスケットに入れ、玄関に飾ってみました。
さて、自分が下仁田ねぎをやるため、渋谷から下仁田へ戻ったころ (15年前頃) は、東京での下仁田ねぎの名声や地位が、地元・下仁田の町中や群馬の中心部でほとんどウソのように無関心で、実際、下仁田まちづくり委員になったとき、わたしの ”特産品である下仁田ねぎ・こんにゃくで町づくりを” という意見に対し、町なかの女性から、あんなものは冬しか食べられないし、生では辛くてたべられないし、主婦として使い勝手が悪い、イチゴ狩りみたいなことも出来ないし、イチゴの方がよっぽどいい、と地元の名の入った下仁田ねぎを 「あんなもの」 扱いされた。
「あんなもの」 が、近年、テレビ制作会社が、低予算でそこそこ数字が取れる (旅番組、ブランド地場野菜・郷土食ブーム、日帰り撮影できる都内から1時間強のアクセスの良さ等) ということで、下仁田ネギが毎冬あちこちのテレビでホイホイ取り上げられ、お金になるとなれば作る人はどんどん増え (植えっぱなしの省力栽培)、よくもわるくもずいぶん変わった。
まあ、自分としては、今の俗物的になった下仁田ネギをとりまく状況より、「あんなもの」 扱いの頃の方が燃えたし、楽しかったが・・・。
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