下仁田ねぎがちょっとずつ始まると (11月のプレシーズンのこと)、下仁田ねぎの注文、相談、依頼、来客などが不意に舞い込んでくるので、本格的なシーズンである12月になる前に片づけておかなければならないことがなかなかできず、このところ毎日バタバタしている。
さて、そんなバタバタな中、今月になって2回目の雨となったが、雨が降ると次の日はぬかるんで葱の収穫ができなくなるから、雨が降る前に2~3日分の葱を掘っておくため、非常に忙しい。
その忙しい雨前、手早に葱掘りをしていたら、なにやらモゾモゾ動くものが・・・。
セミの幼虫だった――。(ウチのまわりでは、蝉の幼虫をヤットコセイと呼ぶ)
えっー、ヤットコセイ?なんで下仁田の葱畑にヤットコセイがいるんだ?
掘り取りのときに葱と一緒に掘りだされてしまったのか・・・、手に取ってよく見れば、セミの幼虫の左の中と後ろ脚はなかった・・・。
う~・・、この忙しいときにぃー・・、とも思ったが、そのままというわけにもいかず、どこか大きい木の根元に、と周りを見回す。
お寺の参道近くの畑だったため、杉の大木がたくさん並んでいたが、さすがに杉の根元はありえない。
畑の西側のお墓周辺に椿とか楠木があって、そこに埋めてやろうとしたが、畑と墓地の境界には獣除けの電気柵があり、柵を乗り越えて墓地脇の木の下を掘るのもなにか盗っ人とかインジャンジョーみたいで気が引けた。
困った挙句、山門の前のお地蔵さんの隣りに桜か何かの若木が植えてあったので、とりあえずその木のそばに小さいスコップで穴を掘り埋めておいた。
もっといいところがあったかも知れないが、雨前は時間との勝負なのだ。
とりあえず、なんとかがんばってくれと心で祈った。
やっとこせい 2009-08-25