花粉症ではあるが、寒暖の差が激しい今時期なども、鼻がむずがゆくなりクシャミが出る。
たとえば、東京にいたころは、鼻をつまんでクシュン・・・と声のボリュームを抑え静かにクシャミした。
電車などで 「ヘクショーン!」 とやったら周りの人間にびっくりされるし、野暮だから、東京ではクシュン・・・と静かなクシャミが自然と身についていた。
それが東京でのマナーというか、スマートなクシャミだが、田舎は逆だ。(わかってはいたが・・)
「ヘェ~クショーィッ、ちきしょうめ!」 と派手に、威勢よくするのが、男たるのもののクシャミだ。
わたしも既にしっかり田舎の農家のおじさんになったので、おれはここに存在しているぜ!とばかりに 「ヘクショーン!」 とやる。
誰もいない広い畑で、クシュン・・・と乙女のように控えめにクシャミするのは、馬鹿らしい。
ストレス解消も兼ね、景気よくクシャミするのが常となった。
問題はクシャミ同様、内側にため込むような内向きから、外に向けて豪快にアウトプットすることに快感を覚えてしまった 「屁」 である。
都会のノイズ (喧噪音) のない、淋しいくらいの無音の田舎で、音をたてるのはある意味、反抗であり PUNKだ。
近ごろなどは、音が鳴らなかったら、損した気分になるくらいだ。
畑での放屁は ”おれの主張” だが、困るのが街中に出たとき、やってしまうことだ。
クシャミとちがってとっさの制御が効かないから、あっ畑じゃなかったッと思ったときには、すでに音は出ている。
とりあえず、内心とは別に、「たかが屁ですよ、皆さん」 という済ました顔でいるが、気づいたカミサンが目をひんむいて、小声で 「ちょっとォ・・」 と言って、背中辺りを突っつく。
コロナ禍ということで、高崎とか軽井沢の近場でやらかしてしまったわけだが、東京だったらさすがに自分でもマズイな、と思う。
歳のせいか、なかなか切り替えがうまくできなくなっている・・。
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