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仮植と本植のあいだの悩み

 

 ちょっと前の話になるが、自分が下仁田ねぎ関連でちょこっと出たテレビ番組 『遠くへ行きたい』 の放映後、以前交流のあった方から、「テレビに出演されてさぞお忙しいことでしょう」 とメールが届いた。

このブログで何度か書いたかも知れないが、店とか商品とかと違い、農家がテレビにちょこっと出たからと言ってウチに注文がわんさか来ることはめったにない。(そのかわり道の駅やスーパーで下仁田ネギがいつもより売れるらしい)

去年の12月にNHKの 『うまいッ!』 という番組に出たときなどは、注文ではなく、質問がきた。(モンはモンでも質問て・・!)
御歳暮贈答用の下仁田葱農家にとって、12月って言ったら、行列のできる個人ラーメン店の、昼の12時台に等しい。
その鬼忙しい時間帯に 「ちょっとネェ、質問したいんだけどネェ」 とゆっくりとした口調のお爺さんから突然電話がかかってきたら、ラーメン店主の十人が十人、質問に答える時間があったら待ってる客の注文をさばくだろうと思う。そうゆうことだ。

で、話をこの間の時に戻すと、番組で下仁田ねぎの種の話をした部分でも使われたのか、OAから数日後、一通の封書が届いた。

内容は、家庭菜園をしている女性の方で、伝統の種で下仁田ネギを是非作ってみたいので、種を送ってほしい、と返信用の84円切手が同封されていた。

ちょうど春のネギ植えで忙しかったし、種の販売もしていない。と、断りの連絡したかったけれど、電話番号が書いてない。
こっちの都合も考えないで、勝手に自分の都合だけで送りつけといて、と考えたらただの迷惑と思え、リアクションせずにいたら、その差し出し主から、「貴社にお手紙を書いたものですけど・・・」、とホームページよりメールが来た。
 
春のネギ植えの疲労第一波の頃だったから、最初はやんわり断ろうとしたけれど、こちらの現状や本場の下仁田ねぎについて丁寧に説明し、市販されている下仁田ネギの種ではなく、伝統の種で作りたいのでしたら、ぜひ伝統栽培 (秋蒔き/秋に種蒔き、春夏2回植え替え) をしてみてください、とお願いも入れ (勝手に種を分けてくれとお願いしてきているので、こちらのお願いもあっても失礼ではないと考え)、仮植えが終わる6月頃に送ります、と小一時間かかってメールを書き、返信した。

そうでしたか、すみません、ありがとうございます、のメールが当然のように来ると思っていたけど、その後はパッタリ音沙汰無し。

伝統栽培は拒否ということなのか、後味の悪いまま、春の仮植えは終わったわけだが、
自分の都合だけでこっちの事情・心情も考えないアカの他人に何故、苦労して採っている種を送らなければならないのか、頭のなかで疑問が大きく膨らんでいる。

一方で、仮植えが終わる6月頃送るとメールしたなら、送らなければ嘘つきになる自分もイヤなわけで・・。
(自分としては、「そうでしたか、すみません、ありがとうございます」 の返信メールが来ることを前提に 「送る」 と返信したが、甘かった)

仮植えがやっと終わってホッとしているが、と同時にこのとってもめんどくさいことも片づいていないから引っかかって気が重くなり、ひさしぶりの仕事にならないくらいの雨だし、モヤモヤが薄まればとブログを書いてみた。

あぁ~・・。

 

Posted in 百姓二揆(ヒャクショー・ニッキ)

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