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知ってるフロだったから

 

たとえば、東京在住の当農園の葱のお客さんは、みなかみ (群馬北部) の温泉宿を定宿にしているらしく、定期的にその宿に宿泊した記事がSNSにアップされるが、

わたし自身の旅は、窮屈で閉鎖的な町や畑からの逃避が目的なので、毎回同じところは風景がなじんでしまって非日常感が乏しくなり、こころが踊らない。
(まあ定宿の方がいろいろ手厚くもてなしてくれるだろうが、旅は新鮮な方がいい)

そういった理由で、畑仕事がひと区切りつくとちょこちょこ旅行に出かける。
(身体が年がら年中、疲れているから、どうしても温泉宿が多くなる、それも近場の)

今まで同じホテル・宿に泊まったとこはないが (東京は除く。東京の場合は逆にいくつかの決まったホテルに泊まる) それでも、いつかリピートしよう、と思う宿はいくつもある。
(宿選びにはそうとう時間をかけるので、ほとんどハズレなし)

そのいつかリピートしようと思っていた湯宿のひとつが、3ヶ月くらい前にネットニュースで目にして驚いた。

●「歴史ある建物が…」 湯田中温泉の老舗旅館で火災 2人搬送 国登録有形文化財の建物が全焼か 2021/02/12
  https://news.yahoo.co.jp/articles/b45c58ac23439e824daed6019d5719a9c8c2f460
 11日午後、長野県山ノ内町にある湯田中温泉の老舗旅館「よろづや」から出火。国登録有形文化財の離れ「松籟荘」を焼いた。

湯田中温泉 「よろづや」 は、5、6年前に行った。
当初は建築物にも興味があったため、隣の渋温泉の有名どころ、「金具屋」 に泊まろうとしたが (人気宿で良さそうな部屋が埋まってたとか何かだと思うが)、心変わりし、
渋温泉と並びの湯田中温泉の 「よろづや」 という老舗の湯宿が、桃山風呂という趣のある風呂もあり、メジャーな金具屋よりも穴場的で、なにやら良さそうというカンが働き、予約した。

画像は 「よろづや」 のエントランス。
「丸に三つ引き」 というシンプルな紋がすごくクールに感じられ、かつロビーや天井などモダンな部分もあり、湯田中温泉の看板宿としての格を感じた。

それとやっぱり風呂がよかった。
桃山風呂というのが 「売り」 だったけど、その内湯はあんまり記憶に残っていなくて、印象に残っているのは、露天。
古い寺の庭園の池がそのまま温泉になったような露天風呂で、ずっしりとそびえたった灯篭と昇り龍のような立派な松の木、底の石がところどころ尖っていて足やら尻が痛かったこともあって、よく覚えている。

で、あの露天風呂にはもう入れないのか・・・、思ったら残念なニュースだった。
だが、見方を変えれば、あるうち行けてよかった!となる。

実際、火災のニュースを見つけ、カミさんに、
なんだよなー、もう一回行こうと思ってたのに、行けねーじゃん・・、と言ったところ、
カミさんは、でも、私達、あるうち行けてよかったじゃん、っと言った。

が、しかしだ、しばらくして別の考えが浮かんだ。
そもそも、行ったことがなけりゃあ、知ったこっちゃない。
ヘンに行って知ってしまったが故に、火災のニュースが目に留まり、残念な気持ちになったわけだ。

なんだかなー・・・。

 

煮え切らない気分になったが、記憶の引き出しが豊かなほうが、老後とかいろいろといいんじゃないか、と勝手に思うようにした。

※きょうは雨で、雨は雨でやることもあったが、腰を痛めてしまったため動きまわるのをやめ、
知らんぷりできなかったことをブログに書いてみた。

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Posted in キオクのキロク

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