『潜水服は蝶の夢を見る』 を観た。
公開当時 (10年くらい前?) ネット等で、
オレンジの効いたポスターとそのポエティックなタイトルで気になっていた映画だったが、
テーマが重くて (脳梗塞で全身不随になった人の話) 観るに至らなかった。
月日が経って、わたしも去年、脳出血で半身不随になりかけて、
他人事ではなくなって、観ようと思ったわけだ。
が、冒頭の、左目しか動かない主人公視点の映像シーンがとにかく眠くて眠くて、
一度挫折したが、(下仁田) 葱がはじまる前に観なければ意味がないとがんばって観たのだった。
意味ってなに?って云われるかもしれないので説明すると、
去年、下仁田ねぎの御歳暮出荷のピーク、峠を越えた20日の夜に脳出血で倒れた ➡
➡ 幸い、かるく済んだ。で、今年も御歳暮出荷シーズンがやってくる ➡ 大丈夫だとは思うが不安もある ➡
➡ 去年はたまたま軽くで済んだけど、今度脳出血を起こしたら、ダメージが残る可能性大 ➡
➡ そうなった場合 (半身不随とか)、なにか生きる希望のヒント、こころの持ちようを映画と通して感じられれば、
そうなった場合のシミュレーション的映画として観ておかなければ、
っていうこと。
カメラが病室から出てから (一人称から三人称になってから)、
話も動くようになり、海辺風景や女優などきれいな映像も多くなり、眠気がとれた。
話は、主人公 (ファッション誌 「ELLE」 の編集長)が、
唯一動く左目のまばたきでコミュニケーションを取る方法を教わり、
20万回のまばたきで自伝をつづる、という内容で、
劇中に出てくる言葉、まさに 「希望を持つ事が人間性を失わない」 映画だったけれど、
実話というのをすっかり忘れていて、結局、自伝完成の数日後に亡くなってしまった
という事実にふくらんだ希望がちょっとしぼんだ。
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