下仁田は内陸のどんづまり、山あいの町なので、
大地と呼べるような開けたところはほとんどない、
と以前、このブログで書いたけれど、 *1
今回、奥能登国際芸術祭 2017 で奥能登と呼ばれる
能登半島の最北部 (最奥部) を、いろいろ車で周ったが、
下仁田同様、大地と呼べるような広々とした土地は
あまりなかったような印象。
とはいえ、能登を含む石川県といえば、加賀百万石である。
(うちに近所に上州二萬国という人気の飲食店があるが、その差はなんと九十八万石・・)
広大な土地がない場所で石高を上げようとするとこうなる
という見本の極地と言えるのが、輪島市の白米千枚田 (しろよねせんまいだ)。
(画像上 ; この中には、新聞紙一枚程度の広さの田もあるそうな)
農業者として農業収入の観点から白米千枚田をみると、
傾斜のある畑は昇り降りだけでも大変で、作業効率もわるく、
苦労のわりには、たいして銭にならないサイテークラスの場所と言える。
が、いまや能登における有数の観光スポットであり、
隣接する道の駅の駐車場には観光バスや一般客の車がひっきりなしに停まっている、
人気の田んぼになってる。
千枚田の中をグルリ散策できる舗装された小道もあるし、(上画像、右隅、散策する人がふたり)
季節ごとに様々なイベントもあるし、
わたしらが行った刈入れ後の10月は、田植え前の3月まで毎晩、
「あぜのきらめき」 というイルミネーション楽しめる。
(画像下 ; イルミネーションは30分ごとにピンクから黄色と入れ替わる)
このところ地方再生ということで、ヒトを呼び込むために
いろいろ税金使ったあれやこれやを目にすることが多いが、
大勢の人を惹きつけ呼び込むのが、肥沃とは言い難い田んぼ、収穫高の少なさそうな田んぼ
というのが痛快で、そういう意味でとても清々しくこころ落ち着く場所だった。
わたしも下仁田葱畑でたくさんの人を惹きつけてみたい、
そういう意味では、とてもうらやましい田んぼだった。
*1 )2016/5/23 『下仁田の小地』
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