それは人類がはじめて月を歩いた夏だった。
そのころ僕はまだひどく若かったが、
未来というものが自分にあるとは思えなかった。
僕は危険な生き方をしてみたかった。
とことん行けるところまで自分を追いつめていって、
行きついた先で何が起きるか見てみたかった。
~ポール・オースター、『ムーン・パレス』 冒頭部より
若いころ、オースター ・ 「ムーン・パレス」 の、
この出だしが大好きで、毎年夏になると、読み返したくなるのだった。
でも最後まで読んだのは一度きりだった。
先日も、ブログの滞りの原因のひとつに、
本を読んでいないというインプット不足があるので、
夏だし、「ムーン・パレス」 でも読んでみるかと本を広げたが、
冒頭部分を読んだら、満足してしまってやっぱり本を閉じた。
その後の展開がいまひとつ好きではないのと、
ところどころかったるい部分があるので、
どうしても冒頭だけでいいや・・ となってしまう。
以前、このブログの音楽カテゴリーで、
イントロだけ大好きな曲特集をしたけど、*1
オースターの 「ムーン・パレス」 もそんな感じ。
*1) 2016/4/3 『農MUSIC 農LIFE / イントロ・ラブ』
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