7日の日曜日、大阪より野菜のセレクトをしている食材のエキスパートの方が、
下仁田 (ねぎ) を求めて、急きょ来園した。
お金を時間をつかって、遠路はるばる内陸の田舎町まで足を運んでもらって、
ただ畑を周り案内するだけでは芸がないから、畑で大名焼きをしながら、
仕事の話をしようと、(下仁田) ネギをふるまったが、いつもと違って反応が薄く、
自分でも食べてみたら、甘みも味も薄くておいしくなかった・・・。
この時期特有の濃い甘みが、ウソのようにごっそり抜け落ちたようで、
キツネにつままれたような感じになった・・・。
自分の (下仁田) ネギはもちろん、毎日食べていたが、
まずいと思ったことは一度もなかったし、 *1
自分の作る今時期の下仁田ネギには、絶対的に自信のあっただけに、
信じられないというか理解できなかった・・・。
*1 (12月に掘り取った分の、箱詰めできない細物や短すぎる、
地元ではクズネギと呼ばれる(下仁田)ネギの、古いのを食べていたので、
水分が抜けきって甘みが増したというのはあります)
だから原因究明にやっきになった。
例年と今冬の違い、栽培時の違い、考えられうる事象から、
4つのことが思い浮かび、2つに絞ったが、モヤモヤは消えず。
で、取引先やお得意様数名に電話して聞いてみたり、
JAの営農センターに意見を聞きに行ったり。
とにかく天候なのか、自分の栽培方法なのかがわからなければ、
先に進まないので、他のネギ生産者 (下仁田葱の会・会員) の
ネギを分けてもらい、自分と食べ比べてみることに。 (画像)
他の人の (下仁田) ネギもやっぱり、甘みも味も薄かった・・・。
今年になってから雪も降ったり、このところ寒い日が続いているけど、
畑の土の表面が凍るほどではないし、いつもなら寒冷紗をかけても凍ってしまう大根が、
寒冷紗ナシでほとんど凍っていなかったり、そういえば法蓮草も今冬のはあんまり甘くなかったり、
とりあえず、原因の大きなひとつは暖冬ということに結論づけた。
(8月後半の日照不足とかも、あるのかもしれない)
ほんとうに、ここ数日は (下仁田) ネギのことばかり考えていた・・・。
あのときの無様な大名焼きを、ずっと引きずっていた・・・。
こんなにテマヒマかけて、この程度のネギではテマヒマかける意味はあるのか、
深刻に考えていた。
そんな状況の中、昨日11日、以前この Blog でも記事にした、
東京の一番古い取引先の方 *2 がべつの飲食店の方など計4名で来園し、
皆でにぎやかにいろいろな角度からの大名焼きをした。
(普通に焼いたものと真っ黒になるまでよく焼いたものとか、
当農園の下仁田ねぎと他生産者との食べ比べ、前に掘っておいたものと掘りたて等)
納得できたわけではないけど、だいぶモヤモヤは晴れた。
ハウスや4~5カ月くらいの栽培ならある程度コントロールできるかもしれないが、
14ヶ月という一年以上かけての露地栽培なので、どうしても天候に大きく左右される。
こればっかりはしょうがないのかなー、と思いつつ、
暖冬でも甘くて味の濃い (下仁田) ネギを、いずれ作りたいとも思う。
*2 )2016/1/20 『谷中・和味と下仁田ねぎ 』
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