2年ほど前、野菜ソムリエで群馬の青果市場関係者の方が、
東京で開かれる野菜講義で 「下仁田ネギ」 を取り上げるため、
当農園に数回、作業の撮影に来たことがあった。
そのことはこのブログでも記事にしたが、
わたしは、下仁田・馬山地区の伝統栽培である夏の植え替え作業の実情を
すこしでも関係者に知ってもらえたら、とよろこんで協力したのだった。
が、その野菜講義にたまたま出席していた知り合いのフード・ジャーナリストから、
講義内容を知らされ、愕然となった・・・。
植え替えをした当農園の下仁田ネギと
植え替えをしていない榛東村の生産者が作った下仁田ネギの食べ比べ、
つまり、植え替えしたネギも植え替えしてないネギもそんなに変わらないでしょ?
という、思ってもみなかった内容だった・・・。
植え替えをしている下仁田の下仁田葱生産者は、
植え替えしてない近隣市町村の下仁田ネギとは一緒にされたくないので、
市場出荷はほとんどしません。
一部の市場関係者はそういったことを快く思っていなかったり、
名前の割に供給がすくないので、てっとり早く下仁田ネギを作って、
広域流通したい関係者などからすると、植え替え、植え替えという下仁田葱生産者は
目の上のタンコブだという話もたまに聞きます。
下仁田・馬山地区の植え替えをした下仁田ねぎは、
いろいろなところで、とても高い評価を受けていますが、
リスペクトとはまったく逆の、数の力で伝統をなし崩しにしてしまおう、
というような姿勢や動きは、近年、その下仁田ネギ人気とともに、加速しているように思えます。
ということで、
誰かが、本場の下仁田ねぎ・夏の植え替えのことを
発信・伝えていかないと、伝統が途絶えてしまう不安にかられ、
暑さと植え替えの蓄積疲労で困憊しきってはいますが、
まわり見ても発信する人などいないことだし、
できるかぎり、書いていかなければな、と。
この植え替え時期に、なるべく、声を大にして。
と、7月後半梅雨明け、植え替え真っ盛りのときに書こうと思って、
いまごろ・・・になってしまいました。
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