このところ、倒れこむように寝てしまうため、
就寝前の読書タイムは朝のトイレに変わった。
で、さいきん読んだ古い本のなかに、
どうしても書き留めておきたい箇所があったので、
ここで記しておく。
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動物の疑似幼児には大きな欠点が一つある――彼らはあまりに早く大きくなる。
成長するのに時間がかかる動物たちでも、人間の幼児が成熟するのに必要とする時間の
ほんの何分の一かで活発なおとなになる。
こうなると、彼らはしばしば手におえなくなり、魅力を失う。
しかし、人間という動物はいろいろな手を考えだす種であって、こうした不都合な成り行きにも
ちゃんと対処する手段を講じてきた。
何世紀にもわたる人為選択によって家庭用愛玩動物の幼児化に成功し、
今では、例えば大きくなった猫や犬でも、野生の仲間のいわば子供版にすぎなくなった。
彼らは、いつまでも、野生の仲間より遊び好きで、野生の仲間ほど独立独歩できず、
いつまでも子供の代用品の役割を演じつづける。
ある種類の犬たち(抱き犬あるいは「おもちゃ」犬)になると、
この過程が極端なところまで進められた。
こういう犬たちは行動が幼いばかりか、見かけ、手触り、鳴き声までが幼い感じをあたえる。
こうして、彼らは単に仔犬としての数カ月間だけではなく、人間の幼児期にほぼ匹敵しはじめた十年
あるいはそれ以上もの期間にわたって、可愛らしい疑似幼児の役割を演じつづけることができる。
さらにその上、その全期間にわたって赤ん坊のようでいられるため、
その点ではほんものの赤ん坊をさえ凌ぐことになるのである。
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~人間動物園/デズモンド・モリス
家庭用愛玩動物っていう言葉にやられました。
これからは、ペットなんていう軽くてプラスティックみたいな言葉より、
家庭用愛玩動物のほうが、人間と動物の関係をよく表していて良いと思う。
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