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ブランドとゆるみ/第十一回『すきや連』例会(於:和田金)

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 松阪に行ってきた。
 
 第十一回 『すきや連』 例会が松阪市の 「和田金 *1」 さんで開催されたためだ。
 
 実をいえば、このところメンタル&身体のコンディションがすぐれ無さ過ぎて、
 今回はちょっとパスしようかとグズグズ迷っていたのだが、
 下仁田葱生産者きってのすき焼き通をめざす者にとって、
 和田金さんは食わずに通れない道だろうし、
 なにより、松阪市における松阪牛と下仁田町における下仁田葱、
 同じその土地の名を冠したブランド特産品を扱う者にとって、
 なにかしら得るものがあるだろうと無理やり行く方に気持ちを持っていったのだった。
 
 ちなみに松阪市のある三重には何気に聖地が多い。
 たとえば、天照大神を祭る伊勢神宮は、“神社本庁傘下の全国神社からは、本宗と仰がれている”
 とのことだから、神社界の聖地と云えるし、神社といえば忍者、
 昨今はサムライよりも外国人に人気が高いニンジャの聖地(伊賀地方)もあれば、
 日本スピード界の聖地・鈴鹿サーキットもある。
 で、肉好きの聖地が松阪なわけだ。
 
 そんな野菜生産者にとってアウェイのような松阪での 「すきや連」 は、
 ただ松坂肉を喰らうだけでなく、和田金牧場の見学会もあったのだが、
 防疫の必要上、バスから降りることない (バス自体も消毒洗浄される) 畜舎見学会で、
 牧場長の話の中に出てきた、「いい肉でつなぐ」 という言葉にグッときた。
 
 すぐさまわたしの頭のなかでは、「いい葱でつなぐ」 と変換されたが、
 下仁田という排他的な町におけるブランド継承は、「下仁田葱の日」 の件 *2 もあるし
 松阪・和田金さんのようにはいかないだろうな、と苦い感じで思った。
 
 さて、肝心の肉の芸術品こと松阪肉のすき焼きだが、
 きめ細かいサシ (霜降り) のものと思いきや、ロース。
 食肉業界・すき焼き老舗などの重鎮が顔を並べる 「すきや連」 だから、
 おそらくA5クラスの極上のロースだと思うが、風邪気味もあって、
 舌の感度が鈍く、きめ細かく味わえなかったが、柔らかさと重量感はたっぷり味わった。
 
 肉以外の具材のこともちょっと書いてみれば、
 玉葱は淡路産だけあってしっかりしている。
 地元産だという青ネギは、けっこう青臭くて、味が若い感じ。(下仁田葱の敵ではない)
 やはりなんといっても、シラタキが入っていないのは下仁田の人間として淋しい気が・・。
 
 なんとか無事に会を終えようとしたあたりから、
 急激に具合が悪くなり、初めて2次会に参加するつもりであったが、
 足早にホテルに戻りダウンした。
 
 ゆるい具合の、吐くまではいかない吐き気があって、
 すっきり眠れず、朝は朝で滝のような下痢に襲われ、
 体中の汁物を絞り出してから松阪を発った。
 
 汚い話で恐縮だが、下痢でよかった。
 あの晩、吐いていたら、最高級の松阪肉を喰ったことにならなかった。
 こう思わせるのも、松阪のブランド力のすごさなのだ。
 
 
 *1)松坂肉元祖―和田金;http://hp-mie.net/wadakin/
 *2) 『力につぶされる下仁田葱の日~失意の泣きべそ編
  http://blogs.yahoo.co.jp/yesornouca/64557743.html
 
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Posted in 百姓二揆(ヒャクショー・ニッキ)

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