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農家は農に化ける農化ではない

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 わたしが幼少のころ、ちかくに同姓の商店があった。
 
 わたしが帰農するため田舎に戻ってきたら、
 その同姓の商店はネットで、同姓の農園に変わっていた。
 
 (わたしの苗字は全国ではマイナーだが、
 地域ではポピュラーなので下の名前まで入れないと区別できない)
 
 当農園が、2つの名 (地域名と姓) なのは、
 同姓の農園とこんがらからないようにするため苦肉の策だった。
 
          ◇
 
 きのうは、3年ほど前からポツリポツリ交流のあるフードコーディネーター *1 のヒトが関わっている
 ハピマルシェ立川店 *2 に行った。
 
 去年の暮れ、町が国による除染の財政支援を受けたいがために、
 「汚染状況重点調査地域」 に軽々しく手を挙げてしまった以来、
 わたしはこの町で農家として明るい未来が思い描けなくなってしまっていた。
 
 そんなとき、フードコーディネーターであるポテンシー青木さん *1 から、
 良い方向に動き出しているのがわかる年賀状が届き、
 アクションを起こしてみたのだった。
 
 あいさつを済ませてすぐに、「やさい暮らし」 ハピマルシェ通信 というミニコミ誌を手渡され、
 「このヒト知ってますか?」 と聞かれた。
 
 見れば、わが町の商店の若店主が、“つくり手” として、
 当ファームと同じ地域名の ○○○農園を名乗ってマルシェに参加していた。
 
 前者の同姓の農園は、農家となって頑張っているが、
 後者は農家ではない。
 
 農業に興味・関心をもってくれるのは大歓迎だが、
 作物の知識をなぞって農家のフリをするのはどうなのだろうか。
 
 農家は、種を蒔き、育て、作物といっしょに暑さ寒さを体験し、
 作物を通して、自然の偉大さや摂理を思い知る。
 
 農家の月並みな言葉に 「心をこめてつくりました」 というのがあるが、
 年がら年中、作物と向かい合い、世話をしていれば、
 こころも入るし、作物の気持ちもわかってくる。
 
 農家のフリしているものに、
 果たして農家の思いまで伝えることができるのだろうか――?
 
  
*1 ) potency ; http://potency.jp/
 
*2 ) 「ハピ・マルシェ」 ; http://www.hapimaru.jp/utility/what.html
 
 ※作物を栽培しそれを生活の糧としている農家からみて、

 本業が別にあるのに、なんで? というような違和感を覚えたので書いてみた。
  
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Posted in 百姓二揆(ヒャクショー・ニッキ)

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