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おおいなるへだたり 

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 たとえば、去年の暮れの、NHKの番組 「あさイチ」、
 道の駅しもにた/下仁田ねぎのLIVE中継でのこと *1。
 
 リハーサルで、リポーター篠山輝信 (画像上。父親は写真家の篠山紀信氏) 氏が
 手に持って紹介する下仁田ネギがあまりにも貧相で、
 (下画像・右側サイズくらい。M~Lの中間)
 
 殿様ネギと呼ばれる下仁田ねぎが、課長クラスサイズの、
 深谷ネギに毛がはえた程度じゃあしょうがない、と道の駅・駅長に提案し、
 ウチに戻って3Lサイズの下仁田ねぎを持ってきて差し替えてもらった。
 (下画像・左側クラス。太さ3.5cm以上)
 
 リポーターは、「わっ、でか~!」 と仰天したが、(画像上)
 一部のネギ生産者は、「おーおー、こんなん持ってこられりゃあ、弱るで~」 と言ったのだった。
 
 「みんなんち (あなたのうち=当農園) みちょうに (みたいに)、
 でけぇ~んが (でかいのが) いっぺぇー (いっぱい) ありゃあいいけどさ・・」
 
 3Lクラスの下仁田ねぎがあまり出来ない農家にとっちゃあ、
 大きいのがテレビに映し出されると困る、ということだった。
 
 わたしは驚いた。
 
 国内最高級といわれる下仁田・馬山地区の下仁田葱農家として、
 一番良いものを出すのが当たり前だと思っていた。
 
 「さすが本場の下仁田ネギはすごい、スーパーに並んでるのとちがって立派だわ」
 といわれるくらいの下仁田ねぎを出すのがふつうだと思っていた。
 
           ◇
 
 田舎にもどって1年目か2年目のころ、
 町の顔というか窓口的なところにいる友人と飲んだ。
 
 東京と田舎、その2つを知るわたしは、
 東京における下仁田葱のブランド野菜としての高さに比べ、
 町における下仁田葱に対する意識のあまりの低さを嘆き、
 
 たとえば深谷市における深谷ネギ、あれは普通の長ネギだけど、
 市全体で “深谷ネギ” というブランドに押し上げ、
 傍からみても熱意や誇りが羨ましいほどに感じられるのに、
 なぜ下仁田はそうではないのか、なぜ町は下仁田葱をもっとキチンとPRしないのか、
 と問うた。
 
 そしたら、彼は言ったのだった。
 
 「下仁田は葱農家だけじゃあない。酪農家もいればリンゴ農家だっている。
 ネギだけ特別扱いはできない」 と。
 
            ◇
 
 上記2つの考えをもとに、下仁田町の観光PR誌をつくるとすれば、
 町の名所である妙義山・日暮しの景や荒船山 *2、都会のヒトが喜ぶ下仁田ネギ畑など
 好風景の場所の写真はアウトとなる。
 
 下仁田はそんな景色の良い場所ばかりじゃあない、って理由で。
 
 そうすると、全国のどこにでもある田舎町の風景やら家庭菜園のような畑、
 無難に花写真とか使用したPR誌なるわけだ。
 
 そんなPR誌が、町外のヒトのこころにひびくとは到底思えないが、
 こういうことを言うと (書くと)、あんたの考えばっかり正しいわけじゃあねぇんだ、いろんな考えもあるんだ、
 と言われるわけだ。
 
 わたしは、こんな町で暮らしているわけだ。
 
 *1 ) 2011/12/15 『あさいちでいまいちを吹き飛ばす 』
   http://blogs.yahoo.co.jp/yesornouca/64626447.html
 
 *2 ) 下仁田ファーム・町周辺の風景ページ参照; 
   http://www.shimonitafarm.com/fukei.htm
 ※先月、途中まで書いてストップしていた記事をやっと書いた。
  あと3つ4つ書かねばならない・・・。
 
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Posted in 百姓二揆(ヒャクショー・ニッキ)

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