「ちがうの!ちがうの! あのね、」
東京のころの知りあいに、ちがってもちがわなくても、必ずそういって話はじめる女性がいたが、わたしも、わかいころ、会社の後輩から、「絶対、否定から入りますよね~」 と苦笑いされたクチだ。
そんときは、「バーカ、それがパンクだ」 と返していたが、月日が経ち、田舎にもどって農業を継ぎ、親父のなにかにつけ、「そォじゃねぇーよォ」 「そんなんじゃ駄目だ」というセリフに腹を立て、親子喧嘩をくり返しながら、だいぶ、肯定的な人間になってきたと思っている。
すべてに対して否定的だったころも、けっしてそれがカッコイイ とは思っておらず、出来うるものなら、さわやかなスポーツ選手のように、常に 「そーですね、」 と言って、屈託なく生きてみたいという気持ちがこころの隅にあった。
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先日、画像の本を読んでいて、こころのなかでズッコケた。
そのくだりを書きだしてみる。
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スポーツ選手がインタビューを受けると、インタビュアーの質問に、「そうですね」 とつい言ってしまうことはよく知られている。
スポーツ選手がインタビューを受けると、インタビュアーの質問に、「そうですね」 とつい言ってしまうことはよく知られている。
(中略)
よくよく考えてみると、「きょうのピッチングは素晴らしかったですね」 でも、「素晴らしいゴールでしたね」 とか、「見事な金メダルでした」 でもいいが、そういった質問に対して、人はどう反応すればいいだろう。
つまり、こういうことだ。
「そうですねとしか応えようのない質問」
なぜかインタビューする者らはきまって、「そうですねとしか応えようのない質問」をするのである。
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う~む、たしかにそうだ、つぅーか、そうですね。
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