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たまには、ないてみる

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        おれよりも泣きたいやつが
        おれのなかにいて
        自分の足首を自分の手で
        しっかり つかまえて
        はなさないのだ

        おれよりも泣きたいやつが
        おれのなかにいて
        涙をこぼすのは
        いつもおれだ

        おれよりも泣きたいやつが
        泣きもしないのに
        おれが泣いても
        どうにもなりもせぬ

        おれよりも泣きたいやつを
        ぶって泣かそうと
        ごろごろたたみを
        ころげてみるが
        おいおい泣き出すのは
        きまっておれだ

        日はとっぷりと
        軒先で昏れ (くれ)
        おれは はみでて
        ころげおちる
        泣きながら縁先を
        ころげてはおちる

        泣いてくれえ
        泣いてくれえ

                   ~石原吉郎/『斧の思想』 より 「泣きたいやつ」

                  ◇

        ここんとこ、いろいろあって、

        生意気なヤツと云われちゃいますが、

        わたしとて、なきたくなります。

        「にゃあ!」

        ※下仁田ファームの下仁田ねぎをぜひ、よろしくお願いいたします。

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Posted in 音楽/言葉

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