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ちかごろ なんとなく
こう
馬鹿に だだっぴろい
「偽(いつわり)」 の海を
泳いでいるような 気がしてならぬ
よくもまぁ こうして
あきずに 泳いでいるな と
われながら
ときに あきれる
これだけが
わたしの 路だもの
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「求めよ
与えられん」――
しかし
寂しい 路だ
息づまるように さびしい
でも
行かねばならぬ
行かねばならぬ
【巨いなる鐘/八木重吉】
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