.ツバメ: 彼にとって、もてない自分から脱する手段は、ロックをやることだったのね。
ロックをやってもてる。これが彼にとってパラダイスな訳。
でも、現実は、彼がロックをやろうが、ドラムの天才だろうが、もてないことには変わりなかったと。
で、自分のパラダイスを否定したくなかった彼は、腕を怪我して、常に自分がドラムを叩けない状態にすることによって、ロックをやってももてない自分という、彼にとってハードヘルな状態を回避しているのよ。
つまり、手を傷つける行為は、アイデンティティーを守る最低の手段だったと。真相はそんなところじゃないかしら。
(中略)
キタガタ: なるほどな、要するに、自分はドラムさえたたきゃもてるはずなんだけど、今、手が痛くて叩けないからもてない。
つまり、もてないのは、手を怪我しているせいだっつってんのな。
コウフク: 体はって言い訳しとるわけだ。
~【ファンキー!宇宙は見える所までしかない/松尾スズキ】より抜粋
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病院の長~い診察待ち時間のあいだに読んだ戯曲の一部を書きだしてみました。
“ハードヘルな状態” ってコトバが気にいってます。
さて、わたしにとって “ハードヘルな状態” って云ったら、このあいだの、畑での大怪我 をイメージされる方が多いと思います。
が、わたし本人からすれば、“ハードヘル” というより、「うわっ、やっちゃった・・・」 くらいのヘル、イージーミスによるヘルなので、“イージーヘル” って感じです。
事実、救急車を待っているときや、ドクターヘリで空を飛んでいるときなど、「あ~こりゃ、当分ブログネタに困らねぇな・・・」と、あたまの隅っこのほうで、ほくそ笑んでる自分がいましたし・・。
で、実際、あれ以来、怪我ネタばっかりですし・・。
まさに、体はってのブログネタ、というより、出血大サービス、痛い思いした分、ブログでとりあげなきゃあもったいない。
“ヘル” だけど、“減る” もんじゃあないし・・。
※怪我ネタ、いい加減、飽きましたかね、秋だけに・・。
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