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おばんザーイ

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        いまでは、食べ物をつくる仕事をしていますが、
        かつては、食べ物にさして興味がありませんでした。

        幕末の尊敬に値する人物が粗食だったという話や、
        NHK で見たメザシを頭からバキバキ食う土光さん*1 の質素な食生活、
        あるいは、宮澤賢治 ・ 「雨ニモマケズ」 のなかに出てくる一節、
        “一日に玄米四合と味噌と少しの野菜をたべ” 等 にならい、
        わたしも一時、家での食事は “一汁二菜” ならぬ、汁物は面倒なので、“二菜” のみ、
        というシンプルつぅーか、食べ物ごときであんまり考えたくない生活をしていました。
        (その分、スペシャルなときは、どどーんッと弾みましたが)

                    ◇

        先日、東京は目黒リバー沿いの蕎麦屋*2 で、友人と飲み食いしました。

        わたしには、まだまだ、食い物であんまり頭を使いたくねー、
        という部分が残っているので、オーダーは必然的に友人がします。

        「え~、おばんざい*3 と・・・」

        (えっ、おばんざい?・・・)

        わたしはその聞きなれぬヒビキに興味をもち、すかさず品書きをチェックしました。

         ~春のおばんざい3種盛~

        「なんだァ? おばんざい って。オシャレな酒のつまみ みてぇーなもんか?」

        「まぁ、そんなかんじですね」

                    ◇

        食べ物をつくる仕事に変わって3年――。

        ちょっとずつ、食べ物周辺に興味を持つようになってきました。

        う~ん、われながら進化している、つぅー感じがします。

        おばんザーイ!

        *1【土光敏夫】
         石川島播磨、東芝の経営者、経団連、臨調の会長などを務めたわたしの好きな人物の一人。

        *2【東京 土山人】 (とうきょう どさんじん)http://www.geocities.jp/tokyodosanjin/

        *3【おばんざい】京都にて日常的な惣菜を指す言葉。

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Posted in キオクのキロク

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