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「この子の手足が長すぎる」
子を食う母
朝に晩にばりばりと子の手足を食う母
血みどろの口と
慈愛の瞳
「わたしはお前のためを思っている」
いつもお前のためを思っている母から子は逃げる
短くなった手と足で子は逃げる
母の沼 どぶどろの臭いを放つ 沼から逃れようと もがく
――「彼ら笑う」/石川逸子
なんとも すさまじい内容の詩ですが、
作者が女性というのが これまたショッキングな感じがします。
もっとも、この詩が男性作だったら、ちょっと引いてしまいます。
きのうは、MOTHER’S DAY、“母の日” ということで、
この詩のことが、チラリあたまに浮かびましたが、
なんとなく気がひけて、UPするのを一日ズラしてみました。
まァ、“母の日” といっても、もとはアメリカの慣習であって、
これが中国や韓国の慣習だったら、マネしてないんでしょうが――。
※オープニング・ポエムが 夏を先取り! ホラーテイストなので、
画像は 晩春の花にしてみました。
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