.
「しまえいッ」
風が止んで日が暮れるころ、父は必ずこういった。
それが、道具をしまって引き上げろってことなのか、お終いにしろってことなのか、分らない。
ともかく、母と私に向かってそう言えば、その日の畑仕事が終わるのだった。
「オゥ、しまえいッ」
母はすでに立ちあがって、膝の辺りをせわしく掃っている。
それを横目に、私はまだ地面にへばりつくように作業を続けている。
畑はあいかわらず乾いていて、耕運機で掘り起こした作の部分だけが、わずかに濃い色になっていた。
それくらい上天気が続いていたので、それだけ、休んでいなかった。
農繁期に雨フリ以外の日曜はないのだ。
私のように、きっちり週休二日に慣れ親しんだ身体には、疲労がリセットできない。
処理しきれないまま、在庫となって体内に放置されているから、もう疲れ放題、疲れている。
だから、母に続いてホイホイ立ちあがって、父の言う通り、しまってしまえば、いいのである。
だが、そう思いつつも私は、手を休めることなく、葱苗を植えつづけていた。
※ 春の葱植え(仮植)が終わりました。
(ガス抜き・えん麦蒔きのあと)今度は蒟蒻植えの始まりです。
.