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たとえば、甘いミカンを選ぶポイントのひとつに、
虫が突っついたような傷があるものを選べ!
というのがありますが、(虫は甘いミカンをよく知っている、ということらしいです)
下仁田ねぎにも、おいしい食べごろのサインがあります。
葉っぱの枯れがソレです。
下仁田ねぎは、寒さにあたると葉っぱが徐々に枯れこんでいき、
その分、煮たときの甘味、柔らかみが増して、おいしくなります。
(越冬白菜やサツマイモなどのように、寒さは野菜を甘くさせるようです)
しかし、道の駅 『しもにた』 内、直売所では、
おいしい食べごろの下仁田ねぎは、そのヴィジュアルのため、あまり売れません。
売れるのは、葉っぱの青々したものです。
この時期に葉が青いのは、
寒さにあたっていない街中の平地で作られたものとか、
あるいは、少し前に葉を消毒したものとか、
また化学肥料をたっぷり与えられた下仁田ねぎは、葉が通常より半月くらい長く、青々しています。
なんだかなぁ・・・・・・、って感じです。
今月より、贈答用の箱売りも始まっていますが、
聞いた話では、買ったお客さんから、
「ゴミ (枯れっ葉のこと) が入ってたよォ!」 とクレームの電話があったそうです。
本場・下仁田産・下仁田ねぎは、土つき・根つき、そして枯れっ葉つきです。
(葉はむしりすぎると、傷みもはやいのです。
なるべく自然の状態にちかいほうが、鮮度・保存にはいいのです)
その昔(200年以上前)、江戸の将軍・旗本大名に献上していたころから続くこの伝統も、
都市部に住むヒトの価値判断で、薄れゆく傾向にあります。
ここ下仁田でも、他の群馬産の下仁田ネギと同様に、マネキンのようにキレイになってきました。
落葉は落葉でキレイだなァと思うわたしには、
なんだかなぁ・・・・・・、って感じです。
※ 先日、母の知り合いのヒトに、
「見て見て、(隣町の大型スーパーで) こんなの売ってんだよぉ」と渡された 「下仁田ねぎ」(左・画像)。
本場・下仁田葱 と書いてありますが、下仁田産ではありません。
袋から出してみると、葉が腐っていました。(中・画像)
画像のは “腐り” で “枯れ” ではありません。
自給率40%以下のこの国で、他の農家を責めるつもりはありませんが、ちょっとイジワルく、
下仁田ファームの下仁田ねぎ(2Lサイズ)を横にならべてみました。(左・画像)
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