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『冒険者たち』

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 一ヶ月ほど前の7/28、
 アジア杯・日本VS韓国、3位決定戦を観ようと、
 新聞のBS欄 (地上のは、M木の解説が厭なので) をチェックしてたら、
 サッカー枠のトナリのBS2に、 “冒険者たち” の文字を発見してしまいました。
「冒険者たち」 といったら、わかいころ大好きだった映画のひとつでした。

 チャンネルを行ったりきたりしているうちに、いつしか、
 というより、あの試合運びだから、当然、
 “冒険者たち” のほうに画面を固定していました。

 無鉄砲なヒコーキ乗り、夢見る中年エンジニア、
 天使のような廃品利用アーティスト(の卵)、
 社会のワクからハズレてしまったような3人の
 ちょっと変わった三角関係――。

 レティシアの愛らしさにキュンとなるものイイでしょうし、
 アラン・ドロンのハンサムぶりを見るのもアリでしょう。

 しかしやっぱり、この映画の肝は、リノ・バンチュラ、ですよ。

 昨今の“ちょい悪オヤジ”的、軽薄さとは正反対の、
 味わい深く、懐の深い演技が、なんというか、沁みます。

 また、ちょっと強引な映画の展開が、なんだか季節のように映ります。

 3人が出揃う、花のパリでの前半が、
 それぞれの夢を追いかけている感じとあいまって、“春”。(午前中でも可)

 コンゴでの夢のようなひとときが、“夏”。
 ギラギラの太陽、青い海、青い空。
 もう子供時代の夏休みのように、画面から楽しさがハジケてます。

  その楽しかったコンゴでのシーンが終わった瞬間が、
  ちょうど今時期の、夏休みの終わり特有の、
  寂寥感と空虚感が入り交じったあの感じと重なるのです――。

 夏が終われば、小さい秋がちょっとずつ、てな具合に移ろいでいくのが風流ですが、
 映画は、“秋” というより、いっきに “晩秋” (夕方でも可)となり、ラストとなります。

 この映画――、なんども観ているわけですが、
 やっぱり、あの夢見心地の“夏” のシーンが、羨ましいほど眩しく映りました。

 夏は冒険ですよ・・・。

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 ところで “冬” は? 
 と云われそうなので、つけ加えると、
 ラストの、ドロンの有名なセリフ、「ウソつきめ」 で、“冬” です。
 ローランひとりの冬ですから、季節はもうめぐりません。

※この映画は、いろんなとこでパクラれていますが、
 今回、気づいたのは、ローランの車が
「カウボーイ・ビバップ」ジェットの宇宙艇の元ネタ! ということです。

Posted in キオクのキロク

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