おひかえなすって――、
フーテンの寅さんであります。
ちょっと前、TVで、ある若手女優が
『男はつらいよ』 の全DVDをもっているんですぅ、
と嬉しそうに云っているのをみて、
「あぁ、ひらけてきたなァ~」、とシミジミ感じいってしまいました。
◇
煙草をすってたわかいころ、
好みの煙草のブランドが 『峰』 でした。
そのため、ずいぶん、「わぁー峰なんて吸ってんのォ?」 とか
「みねッ・・・(笑)」 という具合に苦笑いされました。
その 『峰』 と同系列のリアクションされたのが、
わたしの 「フーテンの寅さん好き」 でした。
◇
渥美さんが亡くなったことを知り、会社を休んで、
撮影所でのお別れ会に献花しに行ったとき、
その駅から会場まで、寅さんを偲ぶ長いヒトの列に、
たくさんの女性がいるのをみました。
あぁ~世の中にはわかっている女性も少なからずいるんだなぁ、と、
亡くなった悲しみより、むしろそっちの方にジィ~ンとしてしまいました。
◇
1年前の今日(8/5)、BSで、『男はつらいよ』 シリーズ25作
『ハイビスカスの花』をやってました。
中堅のお笑い芸人2人が解説をしていたのですが、その芸人のひとりが、
(劇中、浅丘ルリ子ふんするマドンナが寅さんに好意を抱いている、ということを)
「寅さん、わかっていないんだよね~」 といってヘラヘラ笑っていました。
が、わたしに云わせたら、「わかっていないのは、お前だッ、このタコッ」
となります。
わかるヒトにはわかると思いますが、
寅さんという人間は、ワケありの女性とか 田舎の年寄りとか、
世間的に弱い立場のヒトを相手にするとき、
ある意味、自分が無くなってしまいます。
自分が無くなってしまうので、相手の中にある悲しさや淋しさ、心配が
自分のことのように、わかるのです。
シリーズでは、フラレてばっかりではありません。
寅さんのやさしさ・あったかさにフレた何人かのマドンナが
寅さんに対して想いを寄せる回がいくつかあります。
しかし、いずれも寅さんは、相手を傷つけぬよう、自らそっと身を引いてしまいます。
そのあたりのことは、わたしの拙い文章でもなんなので、
色川武大著 『なつかしき芸人たち』 のなかの、寅さんに関する記述から引用すると、
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~(寅さんという人間は) 世間の中では劣等者であり、本人もそう思っている。
寅さんの持つ節度とは、自身の生身の欲求を劣等意識で押し殺すという形になる。
そこが哀しい。 (中略)
♪えらいィ兄貴になりたァくてェ、の “えらい” というやつは、
この劣等意識をなんとか薄めたいという気持の発露であろう。~
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寅さんのなかにある劣等感とは、
学がない、堅気でない、容姿、生い立ち、あたりでしょうが、
わたしなど、車(くるま)という珍しい苗字、韓国のほうでは車(チャ)と読み、
わりとポピュラーな苗字みたいなので、ひょっとしたらそういうことなのかな、
なんてことまで考えてしまいました。
まァ、いずれにせよ寅さんは、自分の気持を押し殺して、
「俺のような渡世人と一緒になっちゃあ、いけねぇのよ」
と云って、いつものように去っていくのでしょう。
きのう(8月4日)は、渥美さんの命日でした。
あれから、11年・・・・・・R.I.P.。
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本当はきのうの夜、書いていたのですが、もうひと息で書き終わるってとこで、
マウスがぶっ壊れてしまいました。
どうやっても、ポインタが動かないのです。
どうしても命日の日にUPさせたかったので、マウスを分解してみたら、
バネみたいなのが2つ飛び出してきて、余計、わからなくなってしまいました。
終了したくとも、ポインタが動かないから、どうにもならない。
ここのところ、暑さのなかでの作業がつづいているせいで、
頭がまわらず、ひさびさに強制終了を実行しました。
3時間かけて書いた寅さん用の文が パァーになりました。
きょう、昼休みをつかって、隣町までマウスを買いに行ってきました。
夕方、夕立のため、畑から引きあげてきて、気持をあらたに
寅さん用の文を書いていたら、落雷→停電となり、またも オジャンとなりました。
3度目の今回は、どうやら大丈夫そうです。
といっても、3回も書いていると、もうワケわかんなくなってますが。