ちいさい頃、こんにゃく芋の地上に出ているグリーンな部分 (つまり葉や茎) をみると、
『キャプテン・ウルトラ』 に出てきた、“バンデル星人” (イメージ検索でググッて下さい)
を思い浮かべた。
去年、こんにゃく芋の地上に露出しているグリーンな部分を 久しぶりにみて、
雑貨メーカーにつとめる 変わったもの好きな友人、“K2O” と、
異形なものを愛する友人のアーティスト、“ショージョノトモ”
(下仁田ファームHPのリンク頁に彼女のHPを貼ってあります)
を思い浮かべた。
で、そのヤシの木みたいなトロピカルなシルエットと、マダラでちょっとグロい茎が、
都市生活者には、案外、「グロかわいい」 とウケるんじゃあないかと、
ビジネス的アイディアが思い浮かんだわけです。
長年、渋谷に慣れ親しんだ わたしの脳裏にまず浮かんだのが、
“TQ・HNZ”(仮名)でした。
“HNZ” なら、珍しいもの、変わったものに興味をしめすだろうし、
なにより園芸コーナーもある。
さっそく、雑貨・インテリア業界にくわしい友人 K2O に、こんにゃくの苗を送り、
手ごたえ&太鼓判を押されて、いざ出陣ッってときに、あいにく、
下仁田ねぎの夏場の植替え作業が始まって、それどころではなくなってしまいました。
作業が ひと段落したころは、もう8月に入っていて、
こんにゃくの葉と茎が、10月過ぎた頃には枯れてしまうことを考えると
(次の年また芽をだしますが)、
わたしは、今あわてて売りこむより、来年、キッチリやろうと頭を切りかえたのでした。
季節がひとめぐりして、
わたしは、知人の結婚オメデトウ会+6月近辺のオタンジョウ会に呼ばれ、
東京に向かいました。(6/23)
もちろん、手には “グロかわいい” こんにゃくの苗をぬかりなく持って。
おまけに、今回だけのために作った新しい名刺2枚と、
HPアドレス入りの手作り解説書も持って――。
こんにゃくの苗のプライス(上代)は、300~350円に設定しました。
はっきりいって、手間と送料ばっかりかかって、ビジネス的にはお話になりません。
けど、わたしにとっては、都会のヒトが見たことがないだろう
こんにゃくの苗を売ることで、下仁田ファームの名を知ってもらえる、
ということのほうが、なにか楽しく感じたのです。
渋谷に着き、最近、バイキンのように増殖していると聞く “オニィ系”
と呼ばれている人種を見物することなく、まっすぐ “HNZ” に向かいました。
そして、レジ・カウンターにいた、見た目ベテラン風な女性に、
(1年分の思いをぶつけるように) 声をかけたのでした。
「あのう、お茶でもどうですか?」
って軽いジョークな オチ で、本日のブログを終わりにさせたい気分ですが、
そうもいかないような気もするので、もうちょっとがんばります。
女性は、わたしをスパム・メールでも見るような表情で、
「園芸コーナーは、“HBY‐KDN”(仮名) のFCだから」
というようなことを 言葉すくなに 云いました。
つまり、“HNZ” の植物コーナーは “HBY-KDN” がやっているから、
ソッチに行きやがれッ、ってことでした。
わたしは、通路をはさんで隣の植物コーナーに 約3歩で行き、
そこにいたバイト風な若い女の子に 声をかけました。
「ねぇねぇ、これからなんか予定あるゥ?」
って軽いジョークな オチ で、本日のブログを終わりにさせたい気分ですが、
そうもいかないような気もするので、あとちょっとがんばってみます。
女のコは、ハナから、バイトなんで なんにもわかんないんですぅ、って顔つきで、
「そういうことは本部のほうに・・・、こっちではわかんないんです」
というようなことを 小さい声で云いました。
わたしの経験上、末端から 「本部に」 って言葉がでた所は、
たいがい、商談にこぎつけるだけでも、早くて半月はかかる。
で、すばやく、かるく取引できることはまず、ない。
そもそも、街角花屋の大手が、サブカル的、変わりダネを取り扱うワケが、ない。
わたしは、手の下にブラ下がっている、“グロかわいい” こんにゃくの苗を
今晩の主役、この春、結婚した知人にプレゼントしよう、
と決め、“HNZ” を出ました――。
残り物、というか、ハズレ1位のようなものを、お祝いのプレゼントにするなんて・・・
キサマには、良心の呵責的なものはないのかァ、と云われそうなので、もうひとフンばり。
しあわせホヤホヤの知人の職業は、最近ホットな建築・設計関係です。
建築・設計関係って云ったら、最近、なにかと話題の 『黒川紀章』です。
建築が “ くろかわ ” で、 こんにゃくの苗が “ グロかわ ” ・・・、
なにか、ピッタリな感じがしてきました。