~遊川和彦・脚本、「金太十番勝負!」より。
かすみ(浅香唯)が自分の誕生日に、浩(中村繁之)とデートしたくて、
なんとか彼のほうから誘ってもらおうと苦心するシーン。
かすみ 「この前はどうもすみませんでした。結局、浩さんに迷惑かけちゃって」
浩 「いや、迷惑だなんて。・・・なれてますから。いや、変な意味じゃなくて」
かすみ 「いえ、迷惑かけちゃって。それで、わたしに出来ることがあったら、おわびしようと思って」
浩 「おわびなんて、そんな・・・」
かすみ 「遠慮しないで言ってください。本当に何でもいいですから」
浩 「ホントにいいですから」
かすみ 「明日は仕事は何時に終わるんですか?」
浩 「いつもはだいたい6時頃に終わりますけど」
かすみ 「その後はいつもどうしているんですか?」
浩 「いつもはまっすぐ帰っています」
かすみ 「・・・あの、何だ、明日はハナモクでしょ」
浩 「ハナモクって何ですか?」
かすみ 「ハナモクっていうのは、花の木曜日のことで・・・。そんなことも知らないの、浩さん」
浩 「スイマセン」
かすみ 「すぐにあやまらないで。・・・ごめんなさい」
浩 「なれてますから。・・・それで結局のところ何が言いたいんですか?」
かすみ 「だから、女からは言いにくいこともあるでしょ。(映画の券をだして)
この映画、明日までなんです。しかも2枚あるんです。
誰かが行かないと、もったいないと思いませんか?」
浩 「そうですね」
かすみ 「それだけですか」
浩 「よかったら、ぼくといっしょに行きませんか?」
かすみ 「やだ、困ったな、どうしようかな」
浩 「ホラ、明日はハナモクだし」
かすみ 「やだ、やだ、全然、気がつかなかった」
浩 「この間、ぼくに迷惑かけたかわりと言ったらナンですけど」
かすみ 「そっか、それもあるんだ・・・。それなら断れないか」
浩 「明日、ぼく、6時に仕事終わりますから」
かすみ 「はい、わかりました」