都市にあって、イナカにないもの――、そのひとつに“色”があります。
とくに冬場の、くる日もくる日も茶系のグラデーションには、
気分まで枯葉色になるようで、弾みません。
かといって、夏場のうっそうとした緑の濃淡も、うっとうしい。
しかし、十一月の紅葉時期と、いまのこの時期は、
街中より賑やかに、色が付きます。
東京だと桜ばっかり、もてはやしますが、
こちらでは、桜色のソメイヨシノはもちろん、
ドピンクの八重桜、紫のヤマツツジ、黄色のレンギョウ、
クリーム色のモクレン等、彩り鮮やかです。
でも、都会の華やいだ人の彩りも、実は好きです。